キャッシング・ローンの法律ガイド



貸金業者

貸金業者について

ここでの貸金業者とは、貸金業規制法2条2項に「次条(本法第3条)第1項の登録を受けて貸金業を営む者」と規定されている者です。

貸金業の定義

貸金業の定義についてですが、貸金業規制法2条によると、次のように規定されています。

「貸金業」について「金銭の貸付け又は金銭の賃借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又は当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む。・・・)で業として行なうもの」

この貸金業規制法というのは、貸付けの対象を消費者に限定していませんので、事業者向けの貸付けを行なっている業者も当然対象になります。

ただし、次の者で、政令で定める者が行うものについては、例外とされています。

■国または地方公共団体が行うもの
■貸付けを業として行なうにつき、他の法律に特別の規定がある者が行なうもの
■物品の売買、運送、補完または売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行なうもの
■事業者がその従業者に対して行うもの
■前各号に掲げるものの他、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行なう者

貸金業者について

法律上の貸金業者とは、上記の5つの例外を除いた業として貸付けを行なう者をいいます。

具体的には、次のようなもので、貸金業規制法2条2項に規定する貸付けをあわせて行なう者すべてが含まれます。

■消費者金融業者
■金融の貸借の媒介業者
■手形割引業者
■不動産を担保とする金融業者
■質屋
■クレジットカード会社
■信販会社
■総合リース会社
■その他流通業者など・・・

貸金業者の登録

貸金業者が営業する際には、貸金業規制法3条に基づいた登録をしなければなりません。

これは、1つの都道府県内に営業所や事業所を設置する場合であれば、その都道府県知事の登録を受け、また、2つ以上の都道府県にまたがって設置する場合には、内閣総理大臣の登録を受けます。

そして、登録を受けた業者は、さらに3年ごとにその更新をしなければならないことになっています。この更新を怠ると、登録の効力は失われてしまい、無登録営業の状態になります。

登録しない業者について

無登録で営業を行なった場合は、罰則[5年以下の懲役もしくは1,000万円(法人は1億円)以下の罰金、またはその併科]の適用を受けます。

これは、営業しているという表示や広告・勧誘をするだけでも罰則を受けることになります。

関連トピック
貸金業者の誇大広告禁止について

改正後は、従来の誇大広告の禁止に加えて、勧誘行為も規制対象になりました。また、誤認を与えやすい表示や説明が例示されるようになりました。

広告や勧誘において誤認を与えやすい表示・説明について

次のものは、一部は、旧貸金業規制法の下でも、貸金業規制法施行規則に規定されていたものなのですが、改正によって格上げされたものです。

これは、旧貸金業規制法の目的が、「誇大な広告(誤情報)を抑止することにより、借主に誤った判断をしないようにする」ことだったのに対して、改正後は、その目的が、「貸付条件の広告だけでなく、勧誘等、貸金業者の業務に関する項目まで規制対象とした」と拡張されたからです。

■顧客を誘引することを目的とした特定の商品を、その貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示や説明

■他の貸金業者の利用者または返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示や説明

■借入が容易であることを過度に強調することにより、資金需要者の借入意欲をそそるような表示や説明

■公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明

■貸付の利率以外の利率を、貸付の利率と誤解させるような表示や説明

「年金受給の方、すぐにお金貸します。保証人は要りません。」という広告は上記例示に該当するか?

上記の、「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」に該当しますので違法な広告・勧誘になります。

この「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」については、悪質な業者が年金受給者をねらって勧誘・融資を行い、その担保として年金証書や通帳、キャッシュカードを預り、それを管理することで、年金を返済金や利息名義で引き出す被害が社会問題化したことから、改正された経緯があるのです。

そして、もし法令違反の場合には、貸金業規制法にもとづいて業務停止になるという罰則がありますし、年金手帳や預金通帳などを預かった者については、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科という罰則があります。

法律上の「過度」について

貸金業規制法では、広告や勧誘について、次のように規定してます。

「貸金業者は、その業務に関して広告又は勧誘をするときは、資金需要者等の返済能力を超える貸付けの防止に配慮するとともに、その広告又は勧誘が過度にわたることがないように努めなければならない」

これを読む限りでは、「過度」の解釈はハッキリしません。

しかしながら、貸金業規制法によって、過剰貸付けの禁止が規定され、また業務停止などの罰則があることを考えますと、たとえ広告の内容に問題がなくても、その広告の頻度や場所、時間帯、広告の対象者によっては、安易な借入を助長することにもなりかねませんので、そういった面からも「過度」であるかどうかが判断されるものと思われます。


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