インターネット契約について
申込者のID・パスワードなどの方法で本人確認することと、事後のトラブル防止のため、「申込みを行う意思の有無について確認を求める措置」をとっています。
インターネットでの契約で本人確認が必要な理由
インターネットでの契約は、店頭窓口のように、通常相手の顔をみて申込みを受け付けることができません。
また、本人確認資料を申込みと同時に確認するのも困難ですので、その場で申込みをしたのが申込者本人なのかを確認する手段がありません。
よって、インターネットでの契約の場合には、申込者のIDやパスワードあるいは申込み後速やかに申込者が本人であることを確認できる書類を、何らかの形で提供してもらい、本人確認をする必要があるのです。この場合の書類は、免許証の写しなどです。
なりすましによる申込みについて
他人のIDやパスワードを盗んだ者が、他人になりすましてインターネットで申込みをしようとした場合は、原則として、本人が申し込んだことにはなりません。
しかしながら、次のような場合には、申込者が本人であると信じるに足りる十分な理由があれば、民法の表見代理の規定が類推適用される可能性がありますので注意が必要です。
■他人にIDやパスワードを教えていた場合
■他人に借入申込権限を与えたとみなさっる行為があった場合に、申込みを受諾した業者側は十分な注意を払って必要な確認行為を行っていた場合など
このような場合には、業者と本人との間の契約は、有効に成立したものと扱われます。
誤ったクリックによって申込みをしてしまった場合について
ミスクリックによって申し込まれた契約は、法律上は、錯誤になりますので、申込者に重過失がなければ無効になります。
これは、インターネットでの取引の場合は、店頭窓口での署名捺印等の手続きに比べて、とても手軽で簡単な操作ができるがゆえに、申込みの主要な内容を誤解してしまったり、ミスクリックしてしまったりといったことが起こりやすいからです。
単純なミスクリックでもすべて無効となると業者側が不利ではないかということについて
こういった場合も考慮して、法律では、「申込みを行う意思の有無について確認を求める措置」をしておけば、その申込者の重過失を主張する余地があるとされています。
ですから、事業者としては、「申込みを行う意思の有無について確認を求める措置」が申込者の錯誤無効の主張に対応するための必須の条件として、何らかのことを講じているはずです。
具体的な「申込みを行う意思の有無について確認を求める措置」とは?
現状では、申込の内容を事業者に送信するボタンがある画面上に、申込内容を表示させて、そのボタンをクリックすることで申込みになることを、消費者が明らかに確認できる画面にするなどの方法が、一般的にとられているようです。
要するに、申込内容の確認画面を作成する際には、明確で一義的で申込者にわかりやすい画面にしているといえます。 |