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貸金業者の誇大広告禁止

貸金業者の誇大広告禁止について

改正後は、従来の誇大広告の禁止に加えて、勧誘行為も規制対象になりました。また、誤認を与えやすい表示や説明が例示されるようになりました。

広告や勧誘において誤認を与えやすい表示・説明について

次のものは、一部は、旧貸金業規制法の下でも、貸金業規制法施行規則に規定されていたものなのですが、改正によって格上げされたものです。

これは、旧貸金業規制法の目的が、「誇大な広告(誤情報)を抑止することにより、借主に誤った判断をしないようにする」ことだったのに対して、改正後は、その目的が、「貸付条件の広告だけでなく、勧誘等、貸金業者の業務に関する項目まで規制対象とした」と拡張されたからです。

■顧客を誘引することを目的とした特定の商品を、その貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示や説明

■他の貸金業者の利用者または返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示や説明

■借入が容易であることを過度に強調することにより、資金需要者の借入意欲をそそるような表示や説明

■公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明

■貸付の利率以外の利率を、貸付の利率と誤解させるような表示や説明

「年金受給の方、すぐにお金貸します。保証人は要りません。」という広告は上記例示に該当するか?

上記の、「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」に該当しますので違法な広告・勧誘になります。

この「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」については、悪質な業者が年金受給者をねらって勧誘・融資を行い、その担保として年金証書や通帳、キャッシュカードを預り、それを管理することで、年金を返済金や利息名義で引き出す被害が社会問題化したことから、改正された経緯があるのです。

そして、もし法令違反の場合には、貸金業規制法にもとづいて業務停止になるという罰則がありますし、年金手帳や預金通帳などを預かった者については、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科という罰則があります。

法律上の「過度」について

貸金業規制法では、広告や勧誘について、次のように規定してます。

「貸金業者は、その業務に関して広告又は勧誘をするときは、資金需要者等の返済能力を超える貸付けの防止に配慮するとともに、その広告又は勧誘が過度にわたることがないように努めなければならない」

これを読む限りでは、「過度」の解釈はハッキリしません。

しかしながら、貸金業規制法によって、過剰貸付けの禁止が規定され、また業務停止などの罰則があることを考えますと、たとえ広告の内容に問題がなくても、その広告の頻度や場所、時間帯、広告の対象者によっては、安易な借入を助長することにもなりかねませんので、そういった面からも「過度」であるかどうかが判断されるものと思われます。

関連トピック
貸付、管理、回収の際の不正・不当な手段について

貸金業規制法に関して金融庁事務ガイドラインには、いわゆる「ヤミ金融」といわれる違法業者に多く見られた行為が例示されています。

貸金業規制法では、貸付または貸付の契約に係る債権の管理もしくは取立ての業務を行う際には、偽りその他不正または著しく不当な手段を用いることが禁止されています。

金融庁ガイドラインでは、不正な行為とは、違法な行為を指すと示しています。また、不当な行為とは、客観的にみて、実質的に妥当性を欠いたり、適当でない行為で、その程度が不正(違法)な行為にまでは達していない行為を指すと示しています。

不正・不当な手段になる事例について

それは、個別具体的な事実関係によって判断されることになります。

たとえば、改正前は、利用者が取引当初からの取引明細書を開示するよう要求した場合に、業者側が取引の途中からしか開示しないで、これが初回からの取引明細なので、これ以前にはない、という虚偽の対応をしても、貸金業規制法の明示的な規制に違反しているとはいえませんでした。

ですから、行政処分の対象にもなっていなかったのです。

しかしながら、法改正があったことで、こういった案件は、金融庁事務ガイドラインに該当することになりましたので、業務停止や登録取消の処分を受ける可能性がでてきました。

金融庁事務ガイドラインの例示

次のようなものを例示行為として示しています。

■契約の締結に際して、次に掲げる行為を行うこと
・ 白紙委任状およびこれに類する書面を徴求すること
・ 白地手形および白地小切手を徴求すること
・ 印鑑、預貯金通帳・証書、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求すること
・ 貸付金額に比し、過大な担保を徴求すること
・ クレジットカードを担保等として徴求すること

■貸金業の業務を行うに当たり、説明責任を十分に果たすことを確保するために必要かつ適切な措置(たとえば、貸付契約・保証契約を締結する場合や強制執行承諾文言付き公正証書作成委任状を取得する場合に、相手方にその内容を十分理解しうるよう説明することが必要であることについて、社内規則や業務マニュアルに定めることや従業員研修を行うこと等の従業員に周知徹底を図るための措置)が講じられていないこと

■貸金業の業務を行うにあたり、顧客の信用情報(個人の返済または支払能力に関する情報(氏名、生年月日、住所、電話番号等の個人を識別するための情報を含む)をいう。以下同じ)について、当該顧客の返済能力の調査以外の目的に使用すること

■顧客の金融機関等の口座に無断で金銭を振り込み、当該金銭の返済に加えて、当該金銭に係る利息その他いっさいの金銭の支払いを要求すること。なお、いっさいの金銭の支払とは、礼金、割引料、手数料、調査料その他なんらの名義をもってすることを問わない。

■顧客の債務整理に際して、帳簿に記載されている内容と異なった貸付金額や貸付日等をもとに残存債務の額を水増しし、和解契約を締結すること

■顧客の債務整理に際して、当該顧客から帳簿の開示を求められ、これに応じる場合において、虚偽の回答を行うこと

■貸金業者が架空名義もしくは借名で金融機関等に口座を開設し、または金融機関等の口座を譲り受け、債務の弁済に際して当該口座に振込を行うよう要求すること

■取立てにあたり、債務者および保証人以外の者に保証人となるよう強要すること


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